リーディングドラマ「星の王子さま」」

 2015年10月31日(土) 彩の国さいたま芸術劇場小ホールにて
 第11回《声の会》公演を上演しました。
 原作 サン=テグジュペリ『星の王子さま』より
 構成・演出 浅川安子  出演者 17名



 私たちは何を失ってしまったのか

 『星の王子さま』と聞くと、ああ、あのイラスト、あの名セリフと、断片的に思い出される方も多いでしょう。でも、本当に私たちはあの作品を知っているのでしょうか。子どもや、かつての子どもだったおとなたちに、純粋な心をとりもどさせるメルヘンなんだと、思い決めていないでしょうか。
 いいえ、『星の王子さま』は、人間が生きることの、人と人がつながることの、責任を引き受けることの、厳しい覚悟を私たちに迫る話なのです。
 この情報化社会の忙しさの中に漂流して、私たちは自分の確固とした存在感さえ、おぼつかなくなってしまいました。大事な人との強い絆さえ見えなくなりつつあります。
 今回私たちはこの舞台づくりをとおして、もう一度自分を発見し、ひとを発見しました。そういった意味で『星の王子さま』』を生きた時間があったように思えます。
 そんな思いを皆様とともに共有できたら・・・それが切なる願いなのです。

                                        構成・演出  浅川 安子


出演者から
・大切なものを心で見極め、守るための行動を諦めない・・・。王子の旅は私たちの心の中で続いている。(石垣幸子)


・砂漠に不時着した飛行士は、星の王子さまと出会います。王子さまは飛行士にとって心から話のできるたった一人の人となります。森閑とした砂漠で、孤独な二人の魂が寄り添い、ひっそりと静かに光ります。(名越初音)


・今回のキツネ役、2003年の初演には、息子が演じた思い入れのある役です。「一番大事なことは、目には見えないんだ」というセリフを言うたびに、自分の在り方を問われているように思います。(瀧川文子)


・「星の王子さま」は、第二次世界大戦時、ユダヤ人の友に捧げた本。ただの子ども向けの本ではなかった。現代にも通用しそうな登場人物、内容、いたわり、信頼、愛・・・ 平和であれ、と思いながら読みたい。(池田桂子)
・幼いころに、素敵な旅をする王子さまのことが心に残っていました。今感じるのは、子ども心の理解と、孤独、冒険、絆、そして大切なことは目には見えないということ。素敵な思いが皆様の心に残りますように。(岩渕久美子)


・20代のころ、どこかの山荘であおいだ満天の星空を思い出した。以来、あんな星空見たことない。同時に私の心にもかすみが・・・ そうだ! テカポ(ニュージーランド)へ行って5億の鈴の音を聞こう。 (鬼久保千春)


・王子さまは、人生にとって何が大切なのかを、王様ではなく、うぬぼれ屋ではなく、酒飲みではなく、ビジネスマンではなく、点灯員ではなく、地理学者でもない、キツネに教わるのです。おもしろいですね!?(岡本清)


・「地球だね、評判の良い星だからね}と言って、地理学者は王子に地球への旅をすすめる。なぜかホッとするセリフですね。(塗矢邦夫)

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