リーディングドラマ「眠れ マクベス」

 2023年7月17日(月・祝) 埼玉会館小ホールにて
 第19回《声の会》公演を上演しました。
 
 構成・演出 浅川安子  
 美術     辻   憲(画)
         長塚靖史(デザイン)
 制作     中村淳子・藤井裕子

 技術協力  (財)埼玉県芸術文化振興財団事業部




 皆様、読書会というご体験はありませんか? 一つの文学作品を何人かが、どうしてこんな展開になるの? とか、この時の主人公の心理ってどんなだったかしら? とか、ああだこうだと話し合てみる。みんなで読みあうと、自分の見解だけよりも理解がふくらんで、読書の楽しさも倍増するのです。
 今回、「マクベス」を読みました。もちろんシェークスピアには、「ハムレット」「リア王」「オセロ」「ロミオとジュリエット」等々の傑作悲劇があります。でもマクベスの悲劇ほど一瀉千里に、人格高潔と言われた男が地獄落ちていくスピード感のある作品はないし、そこには三人の魔女という不可解な絡まりがある。名場面はいっぱい。何よりセリフが人間存在の深部をついている。それで朗読もしてみることで、作品を多角的に理解できるのではないかと、みんなでマクベスの世界とはどんな世界なのか、たどってみることにしました。それが今回、声の会の『眠れ マクベス』なのです。「マクベスは眠りを殺した」とシェークスピアは書いた。私たちはマクベスに「眠れ マクベス」と呼び掛けたくなりました。そしてシェークスピアから400年経った今、私たちはどんな世界にいるのか、ということも考えてしまった。戦争がやまない今についてです。何はさておき『マクベス』の世界にようこそ。
 私たち声の会も公演19回にたどり着きました。これも皆様の支援のおかげです。それぞれとしとったなあとおっしゃらずにね。皆元気いっぱいで朗読の楽しさを満喫しております。来年は「古事記」です。今後とも私どもを見守ってくださいませ。

構成・演出  浅川安子


ひとこと・ヒトコト・一言(出演者より

●私は戦況報告をする伝令役。マクベスの勇猛果敢な戦いぶりや、急変する戦況を伝える。人々の誇りであったマクベスは権力への誘惑に従ってしまった。痛ましいウクライナ報道を重ねて思う。(池田桂子)



●「人生なんて哀れな役者の影法師。出場が終われば消えるだけ。」マクベスは哀れである。英雄として生涯を全うしただろうに、孤独な暴君と化し、破滅した。魔女達は?何処かで人間を言葉巧みに翻弄している。(石垣幸子)



●最初に台本を読んだとき、マクベスのスピード感のある世界を一気に読み終えていました。本番では、さらに熟読し感じた思いを「眠り」「眠れ}」の言葉にのせて表現したいと思います。(太田孝子)




●「マクベス」の世界と現実の違いは大きい。しかしいつの時代でも、安らかな眠りこそが、日々の活力の元である。生きていると欲や不安がつきまとう。マクベスほどではないがとても難しい。(黒澤道子)


●この作品で舞台に立つまでは心の葛藤もあり、ひと山越えて本番を迎えます。自分に与えられたポジションで最善を尽くしたいと思います。(清水広美)


●今も世界のあちこちで悲惨な争いは続いている。人間の性(さが)といってしまっていいのか。それともどこか奥深いところに魔女がいて心を惑わせているのだろうか? 「どうする! ××××!」(関根洋子)




●マクベスは今の世の中にもいるのでは? と投げかける今回の作品。台本を読んだとき、リズムが良くてとても好きになった。演出の意図をどれだけ汲み取って演じることができるか勝負のような作品となった。(瀧川文子)


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